フルーツは頻繁に食べる人とめったに食べない人の両極端に分かれがちな食材になります。
これは、フルーツが「食事の一部」というよりも「デザート」という位置づけをしている人が多い事が影響しているからだと思います。
ですが、フルーツは栄養面でもダイエット面でも40代には積極的にとってほしい食材のひとつになります。
摂取するタイミングも、できれば食前に、なおかつ午前中に食べるのがおすすめとなりますが、今回はその理由についてお話ししていきたいと思います。
■フルーツを摂取することで酸性体質を中和させる
市販されている食べ物を見てみると、「酸性食品」、「アルカリ性食品」という分け方がありますが、これはその食品自体のphではなく、その食品が体内で代謝されて排出される際に尿を酸性にするかアルカリ性にするかの違いで分類されています。
たとえば、肉類、魚介類、乳製品などのたんぱく質や米、パン、うどんなどの炭水化物はほとんどが酸性食品となっており、アルコール、ジャンクフード、人工甘味料も同じく酸性食品になります。
しかし、酸性食品ばかりを食べていると血液が酸化してドロドロになり、毛細血管で血行不良が起こり易くなり、酸素や栄養素が体のすみずみまで行きわたらなくなってしまうのです。
そうなると、老廃物が回収されずに蓄積して、疲れやすく病気になりやすい「酸性体質」へと傾いてしまい、頭痛や消化不良など体に様々な不調が起こるようになってしまいます。
アルカリ性食品を摂取する事によって、酸性体質を中和して血液や細胞を本来の弱アルカリ性に整える働きがありますが具体的にはどういったものがあるのでしょうか?
アルカリ性食品の代表的なものが野菜、フルーツ、キノコ類、海藻類です。みかんやレモンは酸っぱいから酸性?と思われがちですが、これらに含まれるナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル分が体内に入るとアルカリ性に変化するため、フルーツの多くがアルカリ性食品となるのです。
「ふだん口にするものの70%をアルカリ性食品にすると酸性体質を克服できる」と言われていますが、野菜や海藻の摂取量をそれだけ増やすのは大変ですよね?
その点、フルーツなら調理の必要もなく小腹が空いた時に摂取することで、糖分を多く含んでいるスイーツよりもずっと手軽で健康的であることが分かります。
また、食前にフルーツを食べれば甘みと水分が満足感をもたらし、食べ過ぎを防いでくれるのでダイエット面でも効果が期待されるので、冒頭でも「40代はフルーツを積極的に取ってほしい」としたのです。
■フルーツはビタミン・ミネラル補給だけでなく食物繊維も豊富
ビタミンとミネラルはどちらも体内で生成することができない栄養素になり、他の栄養素と結びつきながら生命活動を支えています。
「糖分・たんぱく質・脂質」を三大栄養素と呼びますが、これらを体が消化・吸収・活用する上で欠かせないのがビタミンとミネラルになります。
そのため先の2つと、この三大栄養素を合わせて“五大栄養素”と呼ぶこともあるので、これらの栄養素がいかにして重要な位置付けとなるのかが分かるかと思います。
しかし、ビタミンもミネラルも、単体で摂取しただけではあまり効果がありません。
過剰に摂取した分は無駄に排出されるだけで、バランスよく適量を摂取することで初めてその効果を発揮するのです。
その点、フルーツにはこの2つの栄養素がバランスよく含まれています。
コラーゲンの生成を助け美肌を応援するビタミンC。疲労回復効果のあるビタミンB群。強力な抗酸化作用で若返りビタミンの異名を持つビタミンE。骨粗しょう症の予防に役立つカルシウム。余分な塩分の排出をうながすカリウム。イライラをやわらげお通じを柔らかくしてくれるマグネシウム。
どれもふだんの食事では不足しがちな栄養素です。
もちろんサプリで摂取するという手もありますが、本物のフルーツをよく噛んで食べた方が、視覚、嗅覚、食感などが満足し、脳がしっかり反応するので胃腸が活性化され、消化・吸収率がグンと上がります。
さらにフルーツには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には便通を改善する効果はもちろん、有害物質や余分な栄養素をくるんで体外に排出したり、コレステロール値や血圧を下げたり、血糖値の乱高下を防ぐ効果まであるのです。
さらにフルーツにはポリフェノールやカロテノイド、リコピンといったアンチエイジング効果の高い抗酸化物質が豊富に含まれているので、疲労回復に役立つクエン酸もたっぷりなので、まさに40代の救世主といえるでしょう。
このように栄養面から考えてもフルーツを摂取した方がいいと言えるかと思います。
■フルーツは酵素が摂りやすい
いつの時代も酵素ドリンクが流行しているように、酵素はダイエットにとって注目の成分です。
私たちの体内では、消化吸収にも、呼吸にも、運動にも、酵素が必要となりますが、そんな酵素も熱には弱く、加熱により破壊されてしまうので、生の食品か発酵食品からしか摂取することができません。
そこでフルーツの登場となるのです。
生野菜やお刺身を毎日食べるのはなかなか大変ですが、フルーツなら手軽に酵素を補給することができます。
体内にも酵素はありますが、40代に入ると急激に数が減ってしまいます。
酵素が減ると、脂質が分解されにくくなったり、新陳代謝が悪くなったり、疲れやすくなったり、腸内環境が悪化したりと様々な弊害が出てくるので、ダイエットサプリでは酵素を含んだ商品が数多く販売されているのです。
ただ、一方で「フルーツは太る」という人が存在するのも事実です。
しかし、結論からいってしまえば「暴食さえしなければ太ることは考えにくい」となります。
なぜなら、フルーツ自体のカロリーはそこまで高いものではなく、それに血糖値を上げにくいからです。
これはブドウ糖が小腸から吸収され血中に出た後インスリンの助けを必要とするのに対して、フルーツの果糖はすぐに肝臓で代謝されるので血糖値を上げにくくなるのです。
それにフルーツは水分量が多いこと、食物繊維が豊富なこと、などを含めて考えればよほど過剰に摂取しない限り太る原因にはなりにくい食材と言えるのではないでしょうか。
他には「体を冷やすのでは?」との声もあります。
これについては可能性がありますので、フルーツは常温で保存し、一度に大量に食べないように注意して下さい。
このようにフルーツを摂取する際の注意点こそありますが、メリットも大きいので40代の方は積極的にフルーツを摂取する習慣を身につけた方がいいかと思われます。